女の子と男の子

145か国中101位。これは何を表しているのでしょうか?実はこの数字、2015年に世界の国々がどれだけ男女平等な社会となっているかを比較したランキングでの、日本の順位です。今回は、このランキングに使用された「ジェンダー・ギャップ指数」を用いて、日本の男女平等についてみていきましょう。

ジェンダー・ギャップ指数とは

ジェンダー・ギャップ指数は、世界経済フォーラムが公表している、各国の男女格差を表す指数。2006年以降、毎年公表されています。経済、教育、保健、政治の4つの分野における男女格差をそれぞれ数値化。さらにその4つの分野の数値を平均することで、総合的なジェンダー・ギャップ指数が算出されます。ジェンダー・ギャップ指数は0から1の値で表され、1に近いほど男女格差が小さい状態を表します。

ジェンダー・ギャップ指数を算出するための4つの分野についてもう少し詳しくみてみると、以下のような項目から成り立っています。

4つの分野を構成する項目

(1)経済

人口における労働者の割合、同じレベルの仕事に対する給与、経営者や管理職といった責任ある役職の割合

(2)教育

識字率、高等教育を受けた人の割合

(3)保険

出生児の数、健康寿命(※)

(4)政治

政治家の数、大臣の数、これまでの首相の数

※健康寿命…健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間(厚生労働省による定義)

日本は他国と比較して男女平等が進んでいない

2015年のジェンダー・ギャップ指数ランキングの一部を、表1に示しました。

表1 ジェンダー・ギャップ指数とランキング(2015年)抜粋*1


日本のジェンダー・ギャップ指数は0.670で、145か国中101位。この結果は、日本が他国と比較して男女平等が実現しておらず、大きく後れを取っていることを示しています。2015年のランキングをもとに作成された以下のヒートマップ*2を見ると、この現状は明らかです。

このヒートマップは、男女格差が小さい国ほど濃い色で、大きい国ほど薄い色で示されています(グレーで示されている国は、調査の対象外です)。欧米諸国では、ほとんどの国で日本のレベルと比較して男女格差が小さくなっています。日本と同じレベルに色分けされているハンガリーとスロバキアも、ランキングはそれぞれ99位(ジェンダー・ギャップ指数:0.672)と97位(同:0.675)であり、日本よりも男女格差は小さくなっています。なお、アメリカは28位ですが、2006年時点でジェンダー・ギャップ指数は0.704。2015年の日本よりも男女平等が進んでいたのです。

では、日本を含むアジアやアフリカの国々はどうでしょうか。アジアではフィリピン、アフリカではルワンダのジェンダー・ギャップ指数ランキングが高く、それぞれ7位(ジェンダー・ギャップ指数:0.790)と6位(同:0.794)となっていますが、全体的に見ると大部分の国でジェンダー・ギャップ指数が低いことがわかります。

以上のことから、地域により男女平等のレベルには傾向がありそうです。とはいえ、日本の男女平等のレベルは国際的にみて低い状態であることは間違いありません。

日本で男女格差が大きいのは政治と経済である

では、日本のジェンダー・ギャップ指数が低い理由はどこにあるのでしょうか。ジェンダー・ギャップ指数を算出するための4つの分野ごとの数値についてみてみましょう(表2)。教育と保健の分野の数値をみると、調査の始まった2006年以降、常に1に近い値となっています。したがって、日本のジェンダー・ギャップ指数が低いのは、経済と政治の分野の数値が低いことに原因があるといえます。

表2 日本のジェンダー・ギャップ指数と各項目の数値の変化*3



特に、政治の分野の数値は、0.103と極めて低くなっています。また、経済の分野について項目別の数値をみると、経営者や管理職の項目が0.10。他の項目と比較して顕著に低いことがわかります。以上のように、日本のジェンダー・ギャップ指数の低さは、政治家や企業の経営者、管理職といった責任ある地位に就く女性の割合が低いままである現実を、如実に物語っているのです。


図1 経済分野の各項目の数値*3
 

日本のジェンダー・ギャップ指数の改善はわずか

日本のジェンダー・ギャップ指数ランキングの推移をみると、2013年以降、少しずつ改善してきています。しかしながら、その改善の程度は105位から101位と、わずかに過ぎません。また、ランキングではなく、ジェンダー・ギャップ指数のスコアにも注目してみましょう。2015年のジェンダー・ギャップ指数(0.670)は、2006年の0.645と比べると改善していることがわかります。しかしながら、その改善度合いは、値として0.026の上昇に過ぎず、わずかな改善にとどまっています。

まとめ

日本のジェンダー・ギャップ指数は国際的にみて明らかに低く、男女格差が未だに大きいといえます。特に、政治家や企業の経営者、管理職といった責任ある地位に就く女性の割合が低いことが、ジェンダー・ギャップ指数が低い原因となっています。

参考
*1 http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2015/rankings/
*2 http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2015/#read
*3 http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2015/economies/#economy=JPN


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