先日、映画『彼らが本気で編むときは、』を見てきました。生田斗真さんがトランスジェンダーの女性を演じて話題となっているこの作品。私はトランスジェンダーのみでなく、ジェンダーについても考えさせられました。

LGBTとダイバーシティ

さて、あなたの身近にLGBTの方はいますか?もしくは、あなたはLGBTですか?
Noという方が、今の日本ではまだまだ多いかもしれません。またそもそもLGBTってなに?という方も多いでしょう。

LGBTとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害など、体の性別と心の性別に差がある人)の頭文字を取った言葉。セクシャルマイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。セクシャルマイノリティはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのみではありませんが、その他のセクシャルマイノリティも含めた総称として、LGBTという言葉が使われることも多くあります。電通ダイバーシティ・ラボが2015年に行なった調査によると、日本人のLGBTの割合は7.6%*1。100人中7.6人ということは自然に考えると、友達や知り合いの中に複数人のLGBTがいるはずですよね。まだまだカミングアウトできない人もきっと多いでしょうから、実は身近な人がLGBTだったということは大いにあり得るのではないでしょうか。

近年、企業のダイバーシティ(多様性)が求められる傾向が強まり、女性活躍とともにLGBTの方々の働きやすさについても話題に上ることが増えました。一方でテレビなどで目にするLGBTに対する扱い方は、LGBTを許容していないものが多いように思います。たとえば「おネエ疑惑」といって揶揄するような風潮に、私はとても抵抗感を感じています。その人はその人なんだから、別にいいじゃん。そして私も「女の子らしく」や「女の子だから」を求められるのは苦手。多様な個性を許容したいし、許容してほしいなと思っています。

東京レインボープライドに行って思ったこと

2013年から毎年、LGBTを支援するイベント「東京レインボープライド」が開催されています。6色のレインボーフラッグがLGBTの象徴とされることから、「レインボー」はLGBT関連でよく使われる言葉です。この東京レインボープライド、パレードとフェスタが別日に開かれます。私は2016年5月、フェスタに初めて行ってみました。

そこで初めて知ったのが、アライ(Ally)という言葉。LGBTを理解・支援する人のことを指します。私もアライのひとりだと、このとき認識しました。自分はLGBTではないけれど、LGBTの人も生きやすい社会になってほしいと願っているひとは、みんなアライだと思います。

そしてもうひとつ、東京レインボープライドに行ってみて印象的だったことがあります。それは、見た目に目立つLGBTの方々が、やはり目を引くということ。いわゆるゲイバーで見かけそうな、派手な格好の方々です。そのこと自体は良いのですが、じゃあこういう格好をしたくないLGBTの人は……?そんな心の引っ掛かりがありました。

そんな気持ちをどこかに抱えていた私。普段は映画はほとんど見ないのですが、『彼らが本気で編むときは、』は見たい!!と思ったのです。

『彼らが本気で編むときは、』の中の”女性らしさ”

生田斗真さん演じるリンコは、トランスジェンダーの女性。桐谷健太さん演じるマキオと一緒に暮らしています。そのふたりのところへ、母親が家出したマキオの姪トモがやってきて、3人での生活が始まります。

リンコさんは、とても美しい女性です。何より心が美しい。そんなリンコさんに、初めは戸惑っていたトモも心を開いていくのです。LGBTだからどうとか、そんなの関係ない、ということが周囲のひとたちとのつながりとともに丁寧に描かれていました。

またリンコさんは所作も美しい人。”女性らしさ”を感じさせるような丁寧な所作が印象に残りました。「ああ、私にはこんな所作を日常的にすることはできないな」と。しかし映画の中では、いわゆる”女性らしさ”とは異なるリンコさんの姿も描かれていたように思います。たとえばビールが大好きだったり、2本目のビールをマキオに持ってきてもらったり、リンコさんでなくマキオがお皿洗いをしていたり。

こういったいわゆる”女性らしさ”というのはジェンダー、つまり社会が女性という性に対して植え付けているイメージです。女性だからといってそんな”女性らしさ”は持っていなくても、まったく構わないのです。きっとトランスジェンダーでも、リンコさんのような”女性らしさ”を持たない方もいると思います。そんな方も自分が生きたい性を生きられるようになるには、またもうひとつの壁があるのかもしれません。

もちろんジェンダーで苦しい思いをし得るのは、トランスジェンダーの方々だけではありません。LGBTでないストレートの女性も、そして男性もそうです。私はジェンダーに縛られず、”私らしく”、”自分らしく”生きていきたいです。この記事のような発信もそのひとつ。そしてそれがジェンダーで悩む人を減らすことにつながったなら、そんな嬉しいことはないなと思います。

まとめ

『彼らが本気で編むときは、』は、テレビなどで印象付けられている派手なLGBTの方々のイメージとは異なる、もっと当たり前に身近にいるようなLGBTを描くことで、LGBTについて知り、考える機会を与えてくれる素晴らしい映画だと思いました。と同時に、どんなセクシャリティであれ、ジェンダーに縛られずに”自分らしく”生きることが大切だと考えさせられました。

参考
*1 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html電通、電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施(2017年3月28日)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です