耳が聞こえない友達がライブを楽しむ方法


大好きな友達のひとり、今まで会った人の中で一番前向きな子。彼女は耳が聞こえません。

耳が聞こえない友達を高橋優くんのライブに誘ったら

彼女と出会ったのは新卒で働いた会社。同期の一人でした。彼女はもともと耳がまったく聞こえなかったけれど、いまは人工内耳で少し聞こえるとのこと。私は彼女が聴覚障害を持っていることは知っていたものの、どれくらい聞こえないのかは知りませんでした。彼女とのコミュニケーションで気をつけているのは、話すときには彼女の方を向いて、口元をちゃんと動かして話すこと。相手の口元を見ないと何を言っているのかわからないと知ってから、意識するようにしています。そんな「聞こえない」ということはさておき、自分の考えを持っていて行動力のある彼女が、私は好きでした。特に私たちの距離が縮まるきっかけとなったのは、高橋優くんでした。私が大好きな高橋優くんを、彼女も好きだったのです。そして私は、2015年12月に行なわれる高橋優くんの武道館ライブに彼女を誘いました。

そのときのこと、彼女がこちらに書いています。ぜひ読んでみてください。
耳が聞こえない自分が「LIVE」を楽しめるようになるまで

私が誘ったライブではじめてライブを楽しめたということ、すごくうれしいなと思いました。私たちが大好きな高橋優くんのライブを、一緒に楽しめていたこともすごくうれしい。でも同時に、この記事を読んで少し寂しい気持ちもありました。

「聞こえない」と伝えるのは、きっとすごく難しい

武道館のライブの前に、私は彼女にひとつ確認しました。「ライブのときのコール&レスポンスって聞こえる?」と。高橋優くんのライブ定番曲「泣ぐ子はいねが」でのコール&レスポンスを一緒に楽しみたかったのです。このコール&レスポンスの内容は優くんのアドリブですが、いつも2回ずつ同じフレーズを繰り返すので、1回目でなんて言ったかがわかれば2回目のレスポンスには参加できます。もし聞こえないのなら、1回目でその内容を伝えてあげたいと思ったのでした。(1回目のレスポンスのとき、私が彼女の方を見てレスポンスをすれば内容を伝えられると思ったのですが、最近の優くんのコールは下ネタが多く、また難易度が上がってきているのでちょっと難しそうですね……)

彼女は「多分大丈夫」というように答えたと思います。そしてライブ中にもコール&レスポンスのときには、参加できてるかな?と何度か様子を確認したけれど、普通に楽しんでいるように見えたので聞こえているのかなと思っていました。でも本当は聞こえていなかったんだな。

「聞こえない」と伝えるのは、きっとすごく難しいのだと思いました。また、多少聞こえなくってもそこにあまり不満を持たないことに慣れてしまっているのかもしれません。同じチケット代を払ってライブに参加しても、聞こえないから楽しめない部分がある、ということが私はすごく悔しい

また、ここでもうひとつ考えないといけないことがあります。音楽のライブは、歌詞を表示することで耳が聞こえなくても楽しめるようになります。では、他のライブはどうでしょうか?

見えないと、わからない

高橋優くんの武道館ライブのあと、私は「サーカス!」というライブイベントに彼女を誘い、一緒に行きました。「サーカス!」はキングコング西野亮廣さんが「校長」を務める「面白い先生ばかりが集まる学校*1」。面白い先生たちが、多種多様な授業をします。たとえば、私がいちばん面白いと思った授業は、オリエンタルラジオ中田敦彦先生の「正しい謝罪会見の開き方」。あっちゃんの論理展開、プレゼン力に脱帽でした。他にも、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんや、クレイジーウェディングの山川咲さんなどが先生として登場しました。

さて、そんな「サーカス!」を耳の聞こえない友達は楽しめたのでしょうか?「サーカス!」の帰り道、感想を共有していたときに、はっとさせられました。「面白かったけど、ウーマンラッシュアワーの村本さんは、早口だったから何を言っているかわからなかった

「サーカス!」のステージは円形の360度ステージでした。中央にある円形ステージの周りにお客さんが入ります。ステージの上部には円形ステージの形に沿ってモニターが配置されており、スライドを使う先生の場合、そのモニターにスライドが映し出されていました。

村本さんの話し方は、たしかに聞き取りづらいだろうな。それは、ある程度仕方ないのかもしれません。しかし360度ステージは、演者とお客さんの距離が近いというメリットがあるけれど、口元はなかなか見えないんだと、彼女の言葉ではじめて気づきました。またステージと距離があるとそもそも、口元は見えないんだと。

新たな解決策が必要

音楽のライブでは、歌がメイン。予め歌うと決まっている曲の歌詞を表示するのは比較的簡単です。また、演劇では台本を貸し出してくれることがあったり*2、補助ツールがあったり*3するようです。でも「サーカス!」のように台本のないものだと、これらの対応は難しいでしょう。新たな解決策が必要です。

耳が聞こえない友達が、どんなライブでも楽しむ方法(案)

「サーカス!」のあと、その解決策を考えていました。今回、耳が聞こえない友達が高橋優くんの武道館ライブではじめてライブを楽しめるようになったと知って、もっとなんでも一緒に、そしてなるべく同じレベルで楽しみたいと改めて思ったので、その解決策の案をここに書きたいと思います。技術的なことはまだ全く調べられていないし、もっといい方法もあるかもしれません。何か教えてくださる方がいれば、いつでもコメント等お待ちしております!

『音声情報を認識し、文字化して表示するスカウター*的なものを作る!』(*ドラゴンボールで出てくる相手の戦闘力を知るための、目のあたりに装着するアイテム)

ポイントは以下の点です。

  1. ライブ主催者側に特別な対応を依頼しなくても、聴覚障害者側がデバイスを持っていればどこでも使える
  2. 同時通訳的に表示させるので、予め内容が決まっていなくても問題なし
  3. 大画面に表示させるわけではないため、どーんと表示させるとなんだか気まずい内容(下ネタとか、ライブにはつきものだと思うのでw)でも大丈夫!

音声認識の技術も、ARの技術も発達してきているので、できるんじゃないかな?と思っています。詳しい方やご意見のある方がいたら、お気軽にコメント等お願いいたします!

友達にも、どう思うか聞いてみます。彼女も言っているとおり、『障害は「人」にあるのではなく、「社会側」にある。』ことを忘れずに、できることをやっていきたいと思います。

参考
*1 サーカス!Facebookページ, https://www.facebook.com/pg/smileacademiccrazyuniqueschool/about/?ref=page_internal
*2 舞台の台本の貸し出し, ~聴覚障害6級~ http://blog.goo.ne.jp/princess-rei/e/a41b8efc78cdf9ef46a0df9fa171ea8e
*3 舞台鑑賞もバリアフリー――進化する字幕サービス, 朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/special/kotoba/jinken/SDI201602290070.html