「信用」が回る!しるし書店とレターポットの組み合わせ

前回の記事で、「革命のファンファーレ」を読んだら“読書感想文は、愛だ”と思った話を書きました。今回は、そこから思いついたアイデアの話。キングコング西野亮廣さんが考えている「レターポット」と「しるし書店」を組み合わせると、とても素敵な連鎖が生まれる予感がしました。

「しるし書店」とは

西野さんが作成中の「しるし書店」は、何かしらの「しるし」をつけた「しるし本」だけを売ることができる古本屋さん。「だれが読んだ本か」や「その人がどんな内容に注目してしるしをつけたか」というストーリーが乗っかった「しるし本」は、ただの傷物ではなく、むしろ価値が高いのでは?と考えてスタートしたサービスです(リリースはこれから)。

私は前回の記事で「しるし本」だけでなく、店主が手放したくないほど大事にしている本も紹介できる仕組みがあると良いのでは?ということを書きました。では、どんな仕組みがいいかなあと考えていたとき、「レターポット」のアイデアを西野さんが発表されました。

「レターポット」とは

プレゼントにお金をあげるのって合理的だけれどなんか寂しい。それは「プレゼントを選ぶ」という作業がなく、心がこもっていると感じられないから。だったらその気持ちを表現する文章、つまり文字をお金にしてしまおう!というのが「レターポット」のアイデア。文字を購入し、購入した文字を手紙にすることで想いを乗せてプレゼントするのです。その手紙を受け取った人は、その文字を換金することもできるし、また別の人に手紙を送ることもできるというわけ。

とっても素敵な連鎖を生む気がする、このレターポット。ですが私は、この”文字を購入する”というアイデアをはじめて聞いたとき、違和感を感じました。

文章を書くためにお金を払うのか……

たしかにプレゼントだったらそれでいいかもしれません。でも文章を書くのは通常、そのためにお金を払うよりもむしろ対価を貰う行為。ライターという職業はそうして成り立っています。実際、文章を書く作業って、特に文字数が増えるほど大変です。だから私は、”読書感想文は、愛だ”と思うのです。

でも、ふと気づきました。

文章の目的

記事と手紙って全然違うじゃない。

何かについて記事を書くというのは、たとえばある本についての記事ならば、その”本”を紹介するため。一方、手紙は”だれか”特定の一人に向けて書くもの。

「みんなー、これおもしろいよ!」
という文章のための文字は、外への広がりを持っていて、
「あなたに感謝してる、ありがとう!」
という文章のための文字は、一人に向けてまっすぐに届けられる、といった違いがあるわけです。

このそれぞれの役割を担った文字たちは、同等に扱えないのは当然。だったら、その目的に合わせて価値が変化すればいい。たとえば同じ”1本のペットボトルの水”が国によって20円だったり、100円だったりするのと同様の感覚ともいえるかもしれません。

この考え方を「しるし書店」に応用して、「しるし書店」で店主のいちばんお気に入りの本を紹介できるようにしてはどうでしょうか!

しるし書店とレターポットを組み合わせる

しるし書店でお気に入りの本を紹介するとき、その店主が書く文章は「記事」。それに対して、その紹介された本を読んだ人が、店主に「おもしろかったよ!」とコメントすれば、その文章は「手紙」になります。これらの文章をレターポットで書けるようにすると、どうなるでしょうか?

仮に、「記事」のための文字は1文字0.5円、「コメント」のための文字は1文字2円で買えるとします。さらに、レターポットをまずは使ってみてもらうために、しるし書店を使い始める人には2000円分の文字を使える権利をあげることにします。

はじめにもらう2000円分の文字で、ある人は自分のお気に入りの本を紹介する「記事」を書きます。1記事2000文字で書くとすると2記事書けるので、2冊の本を紹介することができます。ここにアフィリエイトを組み合わせておきましょう。つまり「記事」で紹介した本を、その記事経由でだれかが購入すると、「記事」を書いた人(店主)に本の売上の一部が入ってくるようにするのです。

その書かれた「記事」を読んだある人が、その本を購入します。この時点で「記事」を書いた店主には、アフィリエイトで少しのお金が入ります。そしてある場合は、その本を読んだ人が「この本の◯◯◯というところがおもしろかったです!」などと「コメント」します。コメント主がたとえば100文字のコメントをすると、店主には200円分の文字が渡ります。もし5人の人が100文字ずつコメントしてくれたら、店主は1000円分の文字を受け取ることになります。すると、また2000文字の「記事」を1記事書くことができます。アフィリエイトで既に少しお金が入ってきているから、文字をお金に換金せずに次の記事を書こう、と思いやすいはずです。

コメント主は、はじめにもらった2000円分の文字で、100文字のコメントなら20回贈ることができます。20回コメントした頃にはきっと、お気に入りの店主を見つけて仲良くなったりして、「この人が紹介してくれて面白かったから」と、文字を買ってコメントしてあげようと思うようになっているのではないでしょうか。その文字を受け取った店主はまた「記事」を書けるのですから。

あるいは「記事」を読んで本を購入した人が、「この本はすばらしい!」と思って自分でも「記事」を書くことがあるかもしれません。すると売上の面では、店主同士がライバルになります。しかし同じ本を別の視点から受け取った人の「記事」を読むというのもおもしろいのではないかな、と思います。同じ本に興味を持つ人同士でより仲良くなれるかもしれません。また、その人が好きな別の本はどんな本かな?と次の本にもつながっていくかもしれません。

しるし書店×レターポット

信用が回る

「革命のファンファーレ」で、西野さんは「しるし本」は店主の「信用」を売っている、つまり「信用」は「お金」になるということを語っています。どんな店主がどんな本を売っているか、またどんなところに強く興味を持ったかが重要な「しるし書店」。その「しるし書店」を「レターポット」と組み合わせたとき、その「信用」=「お金」はどんどん連鎖を生みながら回っていくのではないでしょうか。

※補足. 運営費について※
レターポットは、その運営費を文字とは別のところから賄うとしています。手紙を届ける便箋代として壁紙を販売し、運営費に回すとのこと。しるし書店の場合、壁紙は馴染まないと思うので、別の方法が必要かなと思います。たとえば、アフィリエイトの費用の一部を運用費に回すなど。アマゾンのアフィリエイトを契約するとして、アマゾン側はしるし書店という「信用」を売っているプラットフォームにおける本の販売を確保できることはメリットになるでしょう。そこで、「しるし書店」とアマゾンとのアフィリエイト契約では、通常より高めの報酬をもらえるようにしておき(そういった柔軟な契約にアマゾンが対応してくれればですが…)、店主には通常の報酬を渡して差額を運営費に回す、といったところ。

※補足. 開発中のサービス内容について※
「しるし書店」も「レターポット」も現在、その具体的な中身について西野さんのオンラインサロンのメンバーやクラウドファンディングに参加された方と話し合いながら進めているとのこと。ですので、この記事のアイデアはすでに盛り込まれていたり議論済みかもしれません。つまり、私はサービス開発の資金を集めるクラウドファンディングに参加していないわけですが、それはすでに述べたように”なんか引っかかるなあ”と思うところがあったからです。良いサービスになることを期待しています!